東京市場 ストラテジストが読む 中東緊迫で金ETFに注目=藤戸則弘
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イランのソレイマニ司令官が米軍に爆殺され、2020年は波乱の幕開けとなった。中東の動乱となって、世界のマーケットで注目度を増しているのが金である。金先物価格は、一時1オンス=1600ドルの大台を突破する局面があった。
背景にあるのは、第一に新興国の中央銀行が金準備の積み増しを行っていることだ。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の統計(19年10月末時点)によると、金保有量世界6位のロシアは前年末比185・9トン、7位の中国が105・8トン、10位のインドも31・7トンと買い増しを続けている。通貨リラの急落で混乱状況にあったトルコも、一気に128・9トンの買い増しだ。先進国中央銀行の金売却が目立った1990年代とは様変わりである。
第二には、世界的な超緩和策により、国債利回りのマイナス金利が珍しくなくなったことだ。金の最大のネックは、「金利を生まない資産」だったが、このマイナス金利の常態化が欠点を覆い隠している。
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週刊エコノミスト
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