東京市場 ストラテジストが読む 製造業に高まる業績回復期待=三井郁男
有料記事
今年の大発会は中東情勢が緊迫し波乱のスタートとなったが、株式市場を取り巻く環境は、「緩和が継続されている金融市場」「循環的に回復局面に入りつつある景気」「企業業績の改善シナリオ」には変化は生じていない。
地政学的リスクは一時的に高まったが、昨年から相場の最大の重しになっていた米中摩擦は、中国による米農産品の購入拡大や米国側の発動済み追加関税の一部緩和など「第1段階の合意」が米中で署名された。株式市場でも、景況感回復の恩恵が強い半導体関連・電子部品や一部機械メーカーなど製造業が再評価される展開で、物色動向が明確化。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善が見込まれるこれらの業種は、調整局面での投資が有効だろう。
世界の景気は欧州に続き新興国の景況感も底を打ち始めた。中国も第1段階の合意や景気刺激策の効果もあり、人民元の下落傾向も修正されつつある。英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱リスクが低下し政治の混乱も収束しつつあり、金融市場を取り巻くリスク要因が徐々に解消に向かっている。
残り416文字(全文865文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める