金 リスクオフで上昇余地=鈴木直美
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金相場は年明け早々に前年高値を突破し、7年ぶりの高値をつけたが、すでに1トロイオンス=1550ドル台まで戻している。米国が利下げ姿勢に転じた昨夏以降、ニューヨーク金先物市場の投機買い残高は記録的水準に膨らんでおり、地政学的リスクを囃(はや)した金上昇は短命に終わることが多いことを考えると、短期的にはもう一段の調整安があっても驚きはない。
だが、金の上昇圧力は依然強い。金相場のトレンドを大きく左右する米国実質金利はゼロ近傍での推移が続く。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレに持続的な上昇が見られるまで利上げを急がない姿勢だ。昨年9月に発生した米レポ金利急騰以降、FRBは流動性供給を継続し、量的緩和と似た状況の下で米株は高騰しているが、逆に景気悪化や金融市場の混乱が起きても残る金融政策手段は少ない。このため市況急変リスクに対する…
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週刊エコノミスト
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