金 価格上昇の裏に株急落への不安 年後半に1トロイオンス=1700ドル視野=吉田哲
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「リスク時の金買い」と言うように一般的には株価と金価格の動きは相反しており、片方が安くなれば、もう片方が高くなる。しかし、昨年のNYダウとNY金は、ともに20%前後上昇する“株高・金高”の動きとなった。背景には、(1)景気の指標と実態の乖離(かいり)、(2)主要国通貨全体の地盤沈下懸念──が挙げられる。
(1)については、NYダウと銅価格の推移に注目すると分かりやすい。株価は半年から1年程度先の景気動向への期待や不安を織り込みながら推移する“指標”という側面がある。一方、銅などの商品は、基本的には生産者と消費者は対等な立場にあり、一方的な高値や安値が長期間続くことは考えにくい。このため商品市場には、株式市場のような「価格上昇こそが総意」という考え方は原則存在せず、その価格は“実態”に近いと言える…
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