法務・税務民法改正

トラブルを防ぐ! 契約締結時のチェックポイント=小久保崇

    (出所)編集部作成
    (出所)編集部作成

     ビジネスシーンでは、取引先が用意した契約書をそのまま使うケースも多いだろう。契約書に特別な定めがない場合、改正民法の条文が適用されるため、改正内容を知らずにいると、思わぬ落とし穴に陥ることになる。仕事を優位に進めるためには、契約内容の確認が欠かせない。

     そこで、ウェブサイトのデザイン制作を請け負う個人事業主(Aさん)のもとに、発注主(X社)から「ウェブサイト制作契約」というタイトルの契約書案が届いた場合を想定し、押印前に確認すべきポイントを確認しておこう。

     まず、契約類型が「請負」「委任」「売買」のいずれなのかを正確に理解しておく必要がある。契約類型により、適用される民法などの条文が異なる。受け取る報酬は、ウェブサイトの完成・納品への対価(=請負)なのか、制作作業や稼働時間への対価(=委任)なのか、既成デザインの譲渡への対価(=売買)なのかを確認しよう。ここでは、制作契約で多く見られ、かつ法改正の影響が大きい「請負契約」であると仮定し、契約書案を見ていこう。

    X社はAに対し、ウェブサイトのデザイン制作……その他これらに付随又は関連する業務を委託する。……X社はAに対して通知し、仕様等を変更することができる。

     業務内容、納期、報酬額・支払い方法などの規定とともに、このような文言があった。新法上の「契約の内容に適合する目的物」が何に当たるのか、契約締結時に当事者の意思を明確にし、それを契約文言に反映させる必要がある。X社からの漠然とした要望や口頭による注文を聞くだけでは不十分だ。デザインの仕様、機能、用途などについて契約書に明記されているかをチェックしたい。

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