法務・税務民法改正

賃金債権の時効 民法を下回る「3年」で決着へ 労基法=水口洋介

過去15年間の請求額が間違っていた。支払額は……?(mass/PIXTA)
過去15年間の請求額が間違っていた。支払額は……?(mass/PIXTA)

 社員が未払い賃金や残業代などを請求できる期間について、「過去2年分」だったのを当面の間「過去3年分」とする労働基準法改正案が、開会中の今通常国会で可決される見通しだ。4月1日に施行される改正民法では、未払い賃金の請求権が消える時効が1年から5年に延びている。労働者にとって、労基法上の規定が民法上の規定より不利に働くという逆転現象が、当面の間続くことになる。

 これまで未払い賃金や残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)などの請求権は、2年で消滅の時効が成立していた。旧民法上は賃金請求権の消滅時効は1年とされていたが、労働条件の最低基準を定めた強行法規である労基法の特例で、2年(退職手当については5年)に長期化されていたためだ。

残り837文字(全文1152文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月2日号

バブル超え 日本の実力24 実体経済と乖離する株高にたまるマグマ■編集部26 株価4万円 私はこう見る マネー資本主義が作った壮大なバブル■澤上篤人27 株価4万円 私はこう見る 割高感なく急速な調整はない■新原謙介28 株価4万円を考える 日本“企業”と日本“経済”は違う■山口範大30 日独逆転  [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事