中国台頭 臨床試験数で米国を凌駕=吉田智
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抗がん剤を開発できるのは日欧米のメーカーのみ──。そんな見方は過去のものになりつつある。がん領域のなかでも特に注目を浴びている「免疫チェックポイント阻害薬」の分野で、中国の百済神州(ベイジーン)が「ティスレリズマブ」の開発に成功した。ほかにも、上海君実生物医薬科技(上海ジュンシー)、信達生物製薬(イノベント)、恒瑞医薬(ホンルイ)といった企業が免疫チェックポイント阻害薬を次々と開発。注目が高まっている。
一方、新規性には疑問が残る。これは、ベイジーンらの製品が、本庶佑(ほんじょたすく)京都大学特別教授の研究がもとになった「オプジーボ」(小野薬品工業/米ブリストル・マイヤーズスクイブ)や「キイトルーダ」(米メルク)と同じ「抗PD─1抗体」というカテゴリーに属するためだ。この分野ではすでにオプジーボとキイトルーダの2品が他を圧倒。日系・欧米系の製薬各社は「今さら抗PD─1抗体をやろうとは思わない」と…
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