倒産 破綻を誘発する新型コロナ 景気後退の抜本的歯止め急務=原田三寛
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2月25日、愛知県で観光旅館を営んでいた冨士見荘が破産申請を弁護士に一任した。同日にはコロッケ製造の北海道三富屋が札幌地裁から破産手続き開始決定を受けた。その後も、中小企業の経営破綻が相次ぎ、世界的な株価の下落や円高進行など、リーマン・ショック再来の様相を呈してきた。
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影響は上場企業も例外でない。3月13日までに新型コロナによる経営への影響を「決算短信」や「業績予想の修正」などで開示した上場企業は525社に達した。東日本大震災では、11年3月11日から3月末まで1908社が影響を開示したが、新型コロナの開示数は4分の1にとどまる。
企業の審査担当者からは、「新型コロナ関連の開示が少なく、情報収集に苦慮している」「真面目に開示した企業が馬鹿をみる状況に陥ることはよくない」などの声が聞こえてくる。建物や設備への被害、サプライチェーン(供給網)の寸断が目に見えた東日本大震災と異なり、今回は感染の範囲が日々、現在進行形で拡大をたどり、終息の見通しさえ立たない状況が背景にある。
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週刊エコノミスト
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