政府・日銀 楽観判断は対策を遅らせる=藤代宏一
2019年10〜12月期の成長率が年率マイナス7・1%(2次速報値)となったのは、GDP(国内総生産)の6割を占める個人消費が前期比年率マイナス11・1%と、目を疑う弱さを記録したことが原因だ。
消費の弱さの主因は消費増税である。台風19号の影響は12月までに大部分が解消されているはずだが、個人消費は(現時点で最新の公式月次データである)1月時点でも反発が確認できていない。つまり個人消費は消費増税によって「新型コロナウイルスの以前から大幅に減少していた」と言える。あえてカギ括弧で強調したのは、この景気認識が重要だからだ。
感染が拡大し始めた2月以降、外出を控える傾向が広がった。速報性に優れた2月の景気ウオッチャー(調査回答期間は2月25〜29日)を見ると、現状判断指数(DI)は27・4(前月比マイナス14・5ポイント)、先行き判断DIは24・6(前月比マイナス17・2ポイント)と、いずれもリーマン・ショック、東日本大震災並みの低水準だった。
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週刊エコノミスト
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