激動マーケット2 金への逃避強まる ウイルス禍が続けば最高値も=村上孝一
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ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金相場(NY金)は3月9日に2012年12月以来約7年3カ月ぶりの高値1トロイオンス=1704ドルを付けたが、16日には1450ドルと14.9%も急落した。
本来なら投資家は株安などのリスクが高まれば、資金を避難させる動きを強め、安全資産とされる債券や円とともに、実物資産である金へ資金が流入する傾向にある。しかし、ダウ工業株30種平均が終値で2000ドル超安を連発する異常事態が続き、追加証拠金の支払いや損失補填(ほてん)に迫られた投資家がパニック的に保有資産売却に動き、安全な実物資産とされる金も売られ急落となった。
その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利下げや無制限の量的緩和策に踏み切り、米株価の暴落が一服したことから、投資家の換金売りの動きも一服。景気後退懸念が強まる中で、安全資産としての金が見直され、4月14日にはNY金が1788.80ドルと12年10月以来7年半ぶりの高値を付けた。
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週刊エコノミスト
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