混迷経済4 まだら模様の新興国 南ア・メキシコの国債格下げ 原油・通貨安が招く経済危機=武田淳
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<世界経済・マーケット予測 Part2>
国際通貨基金(IMF)は4月14日、世界経済見通しを改定し、2020年の世界経済全体の成長率がリーマン・ショック時を上回るマイナス成長に陥るとの見方を示した。先進国全体の成長率は前年比マイナス6・1%と大幅な悪化が予想されている。
一方、新興国については、実態把握が進むにつれて感染拡大の深刻さが確認されているロシアやブラジルなどで5%を超える大幅なマイナス成長が予想されている。
ASEAN(東南アジア諸国連合)主要国ではタイやマレーシアがマイナスながら、インドネシアやフィリピン、ベトナム、インドのほか、感染拡大がピークアウトしたとされる中国がプラス成長を維持し、アジア新興国全体でもプラス成長が見込まれている。その結果、新興国全体の成長率はマイナス1%の小幅な縮小にとどまり、先進国と比べると落ち込みは小さい(図1)。
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週刊エコノミスト
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