今週のポイント 貿易統計(5月21日) コロナの影響が最も鮮明に=高山武士
有料記事
5月21日に財務省が4月の貿易統計(速報)を発表する。4月は新型コロナウイルス感染拡大による経済活動への影響が最も鮮明に表れる月と言える。日本での緊急事態宣言発令は4月7日だったが、欧米は日本に先行して3月中旬以降、厳しい外出制限が講じられてきた。最近は段階的な緩和措置も検討されているが、主要国では中国を除いて、少なくとも4月いっぱいは最も厳しい制限が課されていた。
3月時点での貿易統計を見ると、輸出額では前年同月比11.7%減と2桁減となった。地域別には米国16.5%減、欧州11.1%減、アジア9.4%減と、いずれの地域に対しても大きく落ち込んでいる状況だ。海外の需要が落ち込んでいる側面(需要減少)、国内での自粛で生産を停止している側面(供給制約)の両面が輸出減につながっている。供給制約としては自動車関連の生産停止、需要減少としては航空機類の低迷などが挙げ…
残り222文字(全文607文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める