デジタル通貨 ドル基軸通貨を揺さぶる 先行する中国を各国が追う=松田遼
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2009年に民間による仮想通貨(暗号資産)ビットコインの運用が始まって10年余り。これまで、ビットコインなどの仮想通貨は発行量の上限があり、その価格の変動が激しく、取引は投機的で、決済手段とは言えない状況にある。
仮想通貨や電子マネーなどのデジタル通貨に対して日本を含む先進国の中央銀行は研究するものの、静観の姿勢を崩さずにいた。しかし、最近の国際通貨基金(IMF)報告書では、米フェイスブックが発行を計画する「リブラ(ディエムに改称)」のような民間デジタル通貨や中国人民銀行(中銀)によるデジタル人民元のような、中銀が発行するデジタル通貨(CBDC)によるデジタル通貨圏の出現とその拡大により、米ドル基軸通貨体制が崩壊する可能性に言及している。
国際金融秩序の維持の観点からは、新たなデジタル通貨圏への取り組みは先進国間での共通の課題だ。中国の独走を抑えるためにも各国間での協調が重要となる。
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週刊エコノミスト
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