自動車 電動車需要が更に加速 世界販売は9%増に回復=遠藤功治
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2020年の世界新車販売は前年比15%減の7800万台程度で着地しそうだ。新型コロナが発生した当初の昨年4月ごろには、6000万台を割り込み、同30%以上の落ち込みになるとの極端な悲観論も出ていた。だが、中国・米国・欧州などの主力市場が、想定を大きく上回る回復を見せた。各国での補助金や需要喚起策が奏功したことに加え、多くの国で公共交通機関を避け自家用車に移動手段を変更する動きが見られた。一方で年末にかけ、電動化の動きにも拍車がかかった。カーボンニュートラルが叫ばれ、30〜40年の間にガソリン車など内燃機関のみで走る車の販売禁止を決める国が欧州・中国などで相次いだ。日本でも菅義偉首相が30年代半ばまでに日本でも実現すると表明、その直後には、小池百合子都知事が30年までに東京でも禁止すると宣言、政治パフォーマンスに振り回される状況となった。
これを受けて21年の新車需要だが、20年比9%増の8500万台程度を予想する。22年も小幅ながら引き続き需要は伸びると考えるが、19年の9130万台の水準までは到達できない。まして過去最高であった18年の9500万台には遠く及ばないと予想する。世界最大の需要国となった中国は、景気減速や新車需要の先食いが消滅するものの、NEV(新エネルギー車)やHVに対する補助金・優遇策で小幅ながら増加しよう。米…
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週刊エコノミスト
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