東京市場 ストラテジストが読む 21年株価、海外投資家の動向鍵に=三井郁男
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2021年の株式市場は、コロナ禍収束を前提とする経済の正常化で企業の収益回復が進み、海外投資家の買いが株価上昇の原動力になり日経平均株価で3万円を目指す展開になるだろう。
昨年春の株価急落時に底割れ回避に貢献したのが日銀だ。10年10月に日経平均などのインデックス型上場投資信託(ETF)の購入という政策導入を決定して10年以上が経過。20年3月、市場急落への対応も含め、ETFの年間購入額を「原則年6兆円」から「上限年12兆円」に増額した。現在、日銀のETF保有額は時価で45兆円以上に増加し、東証1部の時価総額の6%台後半を保有する大株主になっている。
昨年12月の金融政策決定会合で、日銀は2%の「物価安定の目標」を実現する観点から、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行うことを決定、ETFの購入に関して「財務の安定性にも配意し、市場の状況に応じた柔軟な調整の余地を探るべきだ」との意見が出た。今後、イールドカーブ・コントロール(長期金利操作)の運営や資産買い入れなどの各種の施策について点検し、今年3月の金融政策決定会合で公表す…
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週刊エコノミスト
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