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相続と贈与の税一体化へ「富裕層の節税封じ」の意味

 
 

「税制改正」これからどうなる(4)

 財産を人が亡くなった後に受け継ぐ相続と生前に譲り受ける贈与は、財産を受ける点では同じでも税負担が大きく違う。それを統合して一体課税する大改正が焦点となっている。2020年末に公表された与党税制改正大綱は「本格的な検討」を明記した。

「老老相続」という課題

 相続では、財産を受け継ぐ人に相続税を課す。相続財産の一部を納めてもらうことで富の集中を抑える再分配機能があり、財産の額が多いほど税率が高い累進課税だ。

 一方、贈与税は個人から財産を譲り受けた人に課す。1年間に受けた財産の合計額から基礎控除110万円を引いた額に課税する「暦年課税」が基本だ。

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