マーケット・金融バブルか? 暴落か? 世界経済入門

何が起きるか1 米金利急騰 2%超で株価変調 景気4~6月に分岐点=吉川雅幸

金利動向の鍵を握るFRBのパウエル議長は難しいかじ取りを迫られている (Bloomberg)
金利動向の鍵を握るFRBのパウエル議長は難しいかじ取りを迫られている (Bloomberg)

 長期金利の代表的指標である「米国債10年利回り」は、3月上旬に一時1.6%を上回り、年初と比べ0.6~0.7%上がった。金利は通貨価値に直結するため、貿易や国際資金決済で断トツのシェアをもつドルを通じて、米金利上昇が日本や欧州、新興国にも波及している。長期金利の水準はどう決まるか。まず、「長期金利=(1)実質金利+(2)期待インフレ率+(3)リスクプレミアム」と考えられる。

 (1)の実質金利は、基本的に「企業が資金を借りて投資した際、追加的な投資から得られる収益が借り入れコストに見合う」金利と考える。いくつか前提を置くと実質成長率と見ることができる。(2)の期待インフレ率は、お金の貸借時点で、貸手が将来の物価上昇(インフレ)を予想する場合、その分の金利を借り手に求めるため、金利に反映される。(3)のリスクプレミアムは、リスク資産の期待収益率において、価格変動要因(債…

残り1038文字(全文1427文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事