中国の深層1 食料不足 自給率急減 21世紀に輸入6倍増=高橋五郎
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世界の穀物生産量を見ると、小麦の70%、コメの85%、トウモロコシの81%、大豆の97%を、中国や米国、ブラジルなど広大な国土面積を持つ10カ国が独占している(2017年時点)。わずか10カ国の「食料輸出大国」に、残りの186カ国・地域が依存する。
なかでも中国は生産量、消費量ともに世界一。コメ(27%)、トウモロコシ(23%)、小麦(18%)など4品目の穀物生産量は合計で世界の21%を占める。年間の穀物生産量は6億トン強、1人当たり450キログラムを超える計算だ。
しかし、中国にとっては国内消費量と比べると、どれも十分な生産量ではない。特に、消費量が年1億トン強にのぼる大豆は、その大部分を輸入に頼っている。問題は、近年、中国で食料不足の度合いが深刻さを増していることだ。
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週刊エコノミスト
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