何が起きるか6 原油反落リスク 60ドル安定も産油国亀裂なら30ドル台=大越龍文
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原油価格が上昇してきている。金融市場などでは、原油価格の上昇と予想される世界景気の回復が重なり、インフレが強まるのではないかとの懸念が浮上している。
原油価格は基本的に世界の原油需給を反映する。現在、世界の原油需給は供給不足となっている。
ただし、世界景気は緩やかな回復にとどまり、コロナ禍で減退した原油需要は回復しつつも、コロナ禍前の水準には戻っていない。過去には需要の増加が需給を引き締め、原油価格を押し上げることもあったが、現在はOPEC(石油輸出国機構)と非OPEC主要産油国で構成されるOPECプラスの協調減産によって供給が不足し、原油価格に上昇圧力がかかっている。
今後、新興国の自動車の普及が原油需要を増加させ、原油価格に影響し始める可能性はあるが、それまでにはまだ時間がかかろう。
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週刊エコノミスト
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