何が起きるか8 ドル高・円安 年内に1ドル=110円も ワクチンが通貨の強弱左右=唐鎌大輔
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金融市場と言えば株式、債券そして為替などの資産が思い浮かぶが、この中で為替だけは「理論的なフェアバリュー(適正価格)がない」と言われ、その値動きは“ランダムウオーク”、すなわち“予測不可能”だと言われている。
だが、為替が変動すること自体に理由がないわけではない。「理論的なフェアバリューがない」のは為替だけかもしれないが、所詮、株式も債券もフェアバリュー通りに動くわけではない。為替を「ランダムウオークだから考えても無駄」と投げ出すのは思考停止だと筆者は考える。変動要因を丁寧に考える努力はすべきだし、そうすることで見えてくる方向感もある。
為替が変動する要因としては主に(1)金利、(2)需給、(3)物価──の三つが挙げられ、これにあえて加えるとすれば、(4)日々のニュースやイベントであろう(表1)。
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週刊エコノミスト
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