長期金利 0.1%を軸にレンジ内推移=海老原慎司
有料記事
日銀の金融政策運営の先行き不透明感を背景に、長期金利は1月中旬以降、上昇基調を強めてきた。3月18~19日の日銀金融政策決定会合で点検結果が公表される予定のため、本稿執筆時点ではその帰趨(きすう)は不明だ。しかし向こう数カ月から1年程度を展望しても、日銀が金融政策運営の正常化に向けて、かじを大きく切ることへのハードルは高いと見ている。
その理由の一つは、為替市場で円安基調が続いている点である。日米金利差の拡大を背景に円安が進んでおり、これは日銀にとって、2%の物価安定目標を達成する上での追い風となり得る。もう一つは、4月から日銀政策委員会のバランスが変わる可能性がある点だ。3月末に退任する桜井真審議委員の後任に、リフレ派の野口旭・専修大教授が就く。インフレ率がマイナス圏で推移する中で、引き締め的な政策運営への転換はより難しくな…
残り82文字(全文451文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める