トウモロコシ、大豆、小麦 中国が世界の穀物を食い尽くす 軒並み6~7年ぶりの高値に=吉田哲
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<市場の今は?これからは? 【商況編】>
穀物相場が高止まりを続けている。
米農務省(USDA)は昨年11月、トウモロコシや大豆などの米国内の2020/21年度(20年9月~21年8月)の期末在庫が、軒並み13/14年度来の低水準になるとの見通しを発表した。米国の穀物を食い尽くそうとしているのは中国だ。18年のアフリカ豚熱(ASF)で大打撃を受けた養豚産業の立て直しを図るため、飼料となる穀物の輸入を急拡大させているという。
産地の悪天候への懸念などから、既に価格水準を切り上げ始めていた穀物相場は、この発表に大きく反応した。世界規模の金融緩和によってだぶついた資金が、先物市場にも流入。国際価格の指標となるシカゴ先物市場(期近)で、トウモロコシは日を追うごとに上昇し、1ブッシェル(国際市場の取引単位、約25キロ)=5・5ドル付近で高止まりした。13年夏以来、およそ7年9カ月ぶりの水準だ。底値から反発を始めた20年7月時…
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週刊エコノミスト
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