工業金属&ゴム 白金 燃料電池車向けに需要増=田栗満
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ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で2月15日、白金(プラチナ)の価格が2014年9月以来6年5カ月ぶりに1トロイオンス=1300ドルを付け、市場を沸かせた。
かつては金を上回る価値のあった白金は14年以降、大きく価格を落としてきた。きっかけは、南欧諸国のデフォルト(債務不履行)危機だ。ディーゼル車の排ガス浄化触媒に使われる白金は、欧州における需要が高く、欧州経済の影響を色濃く受ける。18年にはトランプ米政権下で米中摩擦が激しくなり、景気後退懸念から800ドルを下回る水準まで下落した。
しかし、排ガス規制強化の後押しもあり、19年後半には1000ドルを回復。20年に入ると新型コロナウイルスの感染拡大によって、主産国のアフリカなどで供給量が減少し、白金相場に連動するETF(上場投資信託)でも20年10月、残高が前年同月比20トンを超える伸びを見せた。国際調査機関の需給報告によると、19、20年と2年連続で需要が供給を上回り、21年も需要の1%に相当する2トンの供給不足が生じると予…
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週刊エコノミスト
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