工業金属&ゴム 鉄鉱石 中国の増産で一段高必至=細川隆一
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新型コロナウイルスの感染拡大で、1年前は先の見えない需要急減に直面していた鉄鋼業界。一転して、2021年は資源高と需給逼迫(ひっぱく)で鋼材価格には暴騰の兆しが漂っている。
まず鉄鋼生産で使われる鉄鉱石価格が急上昇。コロナの影響で世界中の鉄鋼メーカーが減産へかじを切った昨春時点では、鉄鉱石価格は1トン当たり80ドル台だった。いち早く経済活動を再開した中国が鉄鉱石の調達を増やし、国際価格はさほど下落しなかった。
その後、中国は鉄鋼増産に拍車をかけ、日本やインド、欧米でも生産が回復。20年の世界の粗鋼生産は前年比0・9%減の18億6400万トンで、過去最高だった前年とほぼ変わらなかった。20年7月以降は前年比で増加傾向が続いている。これにより、鉄鉱石価格は一気にコロナ前を上回っていく。今年に入ると12年5月以来となる140ドル台へと上昇し、今後も一段高が必至となっている。
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週刊エコノミスト
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