週刊エコノミスト Online 企業統治
形式重視では機能しないコーポレートガバナンス・コード=藤田勉
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コーポレートガバナンス・コード(CGコード)は、英国で発祥し、ドイツ、フランスなど欧州主要国で普及した。一般的に、(1)長期的に企業の利益が成長する、(2)社会と調和する(不祥事などを起こさない)、という条件を満たすと、その企業はガバナンスが優れているといわれる。しかし仮に、それらを基準として考えると、主要先進国でCGコードが成功している例は見当たらない。
英国では、CGコードはその前身を含め30年近い歴史を有するが、企業のガバナンスは満足する水準にない。相対的に英国企業の成長力や収益力は低く、また株価上昇率も低い。英国の時価総額上位企業の多くは18〜19世紀創業の伝統的企業であり、世界的な成長企業やハイテク企業は存在しない。これはドイツ、フランスなどにもおおむね当てはまる(表1)。
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