週刊エコノミスト Online

保育士賃金の「見える化」で保育園の“ピンハネ”経営浮き彫りに=小林美希

「子どもたちの最善」を考える必要がある(本文とは関係ありません)
「子どもたちの最善」を考える必要がある(本文とは関係ありません)

「私の年収は約360万円。人手不足で『やりがい搾取』の状態です。本来もらえるはずの年収との差が200万円近くあるなんて、想像もしていませんでした」

 東京23区内の認可保育園で働く保育士の優子さん(仮名、38歳)が驚いた。それというのも、国が予算づけている保育士の賃金と実際の賃金との差額が分かるようになったからだ。

 認可保育園には税を主な財源とした公費が運営費として入るため、国は保育士などの職員1人当たりの賃金額(賞与や諸手当を含む、処遇改善費や法定福利費は含まない)を全国平均値で通知してきた。その通知が初めて改定され、2021年度からは八つに分かれた地域区分ごとの賃金額が示されることになったのだ。最も高いのは特別区(東京23区)の約442万円。次いで、横浜市や大阪市などの地域の約427万円となっている(表…

残り2277文字(全文2634文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事