東京市場 ストラテジストが読む ワクチン遅れで内需株再調整も=藤戸則弘
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新型コロナウイルス変異株が、世界で再び猛威を振るっている。インドのように1日当たりの新規感染者が30万人を超えるような事態も起こっており、こうなると各国はワクチン接種率を上げて、コロナ変異株に対抗せざるを得ない。ところが、肝心のワクチンは、膨大な世界の需要に供給が追い付かない状況だ。
株式相場への影響では、各国ごとのワクチン接種率が景況感や消費者マインドに強く影響していることに注意したい。すでにワクチン接種者が累計で2億回を超えている米国では、ISM製造業・非製造業の景況指数がともに60を超える高水準で、消費者マインドも大きく改善している。
足元では変異株の影響が厳しいユーロ圏も、遅れていたドイツでもワクチン接種者が2000万回を超え、ユーロ圏のマークイット景況感(総合)は50を超えている。これに対して、日本のワクチン接種者はようやく200万回台で、文字通りケタ違いの出遅れとなっており、ワクチン対応の不備は景況感の大きな重しとなっている。
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週刊エコノミスト
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