東京市場 ストラテジストが読む 米経済対策でEV関連など注目=三宅一弘
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米バイデン政権は4月末までの「就任100日間」に新型コロナのワクチン接種を加速させて、経済の立て直しのための大規模経済対策を一気に進めた。さらに7月の米独立記念日までに集団免疫を獲得し「コロナからの独立」を目指すとともに、インフラ投資やハイテク支援、教育・保育・医療支援などを柱とする総額4兆ドル(約440兆円)超の大規模経済政策の法案作成と早期成立を目指している。コロナを克服し、中間所得層の再生を通じて米経済を復興させながら、国際社会での優位性の回復を図る壮大な構想と言える。
1980年代以降、ソ連の弱体化で東西冷戦に勝利した米国など西側諸国では減税や民営化、規制改革などを良しとする「小さな政府」志向が40年近く続いた。バイデン政権は、国内経済復興に加えて強大化する中国との覇権争いに打ち勝ち、脱炭素社会実現などを大義として「大きな政府」路線に大きくカジを切った。米政権のコロナ克服目標の達成度や求心力が高まる場合、大きな政府路線の現実味が増すだろう。
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週刊エコノミスト
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