株・債券の保有割合(預証率) 6割超で増加
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金融機関の預金残高に対する有価証券残高の比率を「預証率」といい、資金の運用状況を示す重要な指標である。預証率は有価証券÷(預金+譲渡性預金)で算出する。有価証券は国債、地方債、社債、株式、その他の証券の合計だ。
銀行は、預金として集めたお金を貸し出しや有価証券で運用して利ざやを稼ぎ、業務純益を確保する。預証率が高いほど、預金に対して有価証券の運用額が大きいことを意味し、業務純益も運用成績に左右されることになる。保有する株や債券の価格が上がれば利益が出るが、下げれば損失が出るなどリスクの高い稼ぎ方と言える。
2021年3月期決算で開示した地銀99行の預証率は平均22.24%。預証率が前期より増加した地銀は66行に上った。99行の合計預金残高は374兆3163億円(前年比9.06%増)に対し、有価証券残高は85兆1679億円(10.84%増)だった。
預証率トップの八十二銀行は42.57%で、「株式市況が好調で、保有している地元の信越化学工業などの株式の含み益が大きくなった」。また、前期差で1.32ポイント増加した6位の京都銀行は「ゼロゼロ融資を預金に入れるケースもあったが、長く保有している任天堂や日本電産の株式が好調で預証率が上がった」とみている。
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一方で、預証率が上昇した背景には、日銀の超低金利政策により貸し出しで利ざやを稼ぎにくくなった地銀が、資金運用を有価証券にシフトさせたからだとみられる。
また、地銀の中には米国債を中心に外債に投資して利益を得ているところもあった。しかし、米金利が高くなると、「含み損」が膨らみ損失を被ることになるため、資金を外債から利回りのいい10年、20年物の日本国債に切り替える動きもある。
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