本業の経営効率(コア経費率) 8割で改善
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「コア経費率(Core Over Head Ratio=コアOHR)」は、業務粗利益(一般企業の売り上げに相当)から国債などの有価証券の売買損益などを除いた「コア業務粗利益」に対する営業経費の比率で、銀行業務の効率性を示す重要指標の一つだ。
銀行の「本業の稼ぎ」と比べた経費の割合とも言え、これが低い地銀ほど効率的な経営ができていることを示す。
2021年3月期決算では、約8割の地銀が前期よりコア経費率が減少、つまりコスト効率が改善した。
コア経費率が低い上位20行の中で、9行が持ち株会社形態など大手行となっており、1位がふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の福岡銀行(51.35%)、2位は山口FG傘下の山口銀行(56.1%)だった。福岡銀は前期比では微増となったものの2位に5ポイント近い差を付けた。
一方、経費率が9割超えと高水準だった地銀は5行あった。コア経費率が最も高かったのは福邦銀行で99.9%だった。
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日銀の補助金
日本銀行は地銀の経営統合や経費削減といった一定条件を満たせば、日銀に預ける当座預金に0.1%の特別付利を与える支援制度を打ち出している。これが、地銀の経費削減への大きなインセンティブ(動機付け)となっている。
付利の対象期間は2020~22 年度の3年間の時限措置で、条件は連結ベースで19年度比で、OHR1%以上低下、経費2%以上減少が条件となっており、21年3月から開始した。
横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つコンコルディア・FGは、本業の好調を受けて、日銀基準のOHRが1%超の改善を達成したとしている。
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