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商社2021 解剖!5大商社の財務② 往年の王者三菱商事は前期4位、今期も3位止まり

 資源(天然ガス・鉄鋼原料用石炭など)・非資源(小売り・食料など)とも、大型資産を多数保有し、長らく商社トップの座にあったが、2021年3月期の連結最終(当期)利益は前期比67・8%減の1725億円にとどまり、4位に終わった。

 業績悪化の主因となったのは、従来の稼ぎ頭だった豪州原料炭(製鉄用の石炭)事業「三菱デベロップメント」の取り込み利益(三菱商事の出資比率に応じた子会社、関連会社の純利益の取り込み額))が前期比1078億円減の109億円にとどまったことだ。豪州・中国の関係悪化が影響して、対中輸出が激減し、売り上げが落ち込んだ。LNGカナダなどの権益を持ち、得意分野であるLNG(液化天然ガス)関連事業も464億円と半減した。

 非資源での大型減損も目立つ。ローソンはコロナ下での収益性を評価した結果、従来想定よりのれんや無形資産(営業基盤の価値など)の資産価値が下がると判断し、836億円の減損を計上した。三菱自動車も世界的な販売台数の落ち込みで145億円の減損を出した。

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