「環境強国」へ猛スピードで突き進む中国の恐るべき「野心」=佐藤一光
有料記事
中国の「野心」 再エネ、森林整備も一気に 脱炭素の速度は米国の倍=佐藤一光
世界は脱炭素を競い合う段階に移行した。1997年に京都議定書が締結され、温室効果ガスを削減する国際的な枠組みができた。しかし、米国などの離脱や途上国に義務付けがないなど、議定書の有効性は不十分なものであった。97年には227億トンだった二酸化炭素(CO2)排出量は2019年には342億トンとなり、約20年で50%も増加してしまった。00年以降のCO2排出の増加の主役は中国であり、この間の排出量は33億トンから98億トンと3倍増、世界の増加量の57%を占めていた。
ところが、その中国が急速に脱炭素へとシフトしてきている。経済の脱炭素度を示す国内総生産(GDP)当たりのCO2排出量について、中国はいまだ先進諸国に届かないものの急激に改善している(図1)。19年には99年の米国に相当する水準に到達している。
残り2129文字(全文2522文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める