東京市場 ストラテジストが読む 海運株に押し目買い余地=藤戸則弘
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世界的に船舶海上運賃の高騰が継続している。一般産業機器、雑貨、玩具などを運搬するコンテナ船運賃(40フィートコンテナ、香港─ロサンゼルス間)は6月23日、7365ドルと史上最高値を更新した。昨年3月の安値1325ドルから、実に5倍以上の高騰である。
また、鉄鉱石、原料炭、農産物などを運搬するばら積み船の海上運賃も上昇傾向が持続している。代表的なバルチック海運指数は今年5月の高値から反落する局面もあったが、6月17日には再び高値3267ポイントを付けるに至っている。昨年5月の安値393ポイントから8倍以上の高騰だ。
海上運賃高騰の背景には、第一に新型コロナウイルスの感染拡大によるショックを克服し、世界経済が回復傾向を鮮明にしていることがある。経済協力開発機構(OECD)の今年5月の見通しでは、今年の実質国内総生産(GDP)成長率は、中国8・5%、米国6・9%をはじめ、世界全体も5・8%に上方修正された。年後半には、欧州、新興国、日本などの回復が加わる見込みで、海運・貿易需要は一段と高まる可能性が高いと思われ…
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週刊エコノミスト
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