商社2021 5大商社の注目事業を役員に聞く⑤(最終回)伊藤忠商事 コンビニ店舗×金融×データで収益源多角化、顧客増狙う
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「マーケットイン」の発想での事業創出を狙いとする「第8カンパニー」は2年前(2019年7月)に設立された。伊藤忠が特に強みを持つ生活消費分野で、既存7カンパニーのハブ(中核拠点)となり、消費者、市場が求める物・サービスを提供する「マーケットイン」のビジネスモデルで事業機会を創出・推進する。
ファミマを非公開化
第8カンパニーは子会社のファミリーマートを昨年、TOB(株式公開買い付け)を実施して、非公開化した。非公開化後、ファミリーマートとの意思疎通が格段に向上した。トップや幹部同士だけではなく、あらゆる階層でコミュニケーションがより活発になった。双方向で人材交流を行っており、ファミリーマートから伊藤忠やグループ会社への出向している社員もおり、より現場感を共有してプロジェクトを進めることで、実現の確度が高くなるという効果も生まれている。
ファミリーマートは全国に1万6600店舗を有し、1日に1500万人の顧客が来店する。伊藤忠グループの財産であるこの消費者接点としての基盤を活かして、従来のコンビニビジネスとは異なった挑戦を始めている。
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週刊エコノミスト
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