商社2021 解剖!5大商社の財務⑤(最終回)伊藤忠商事 5年ぶりの2度目のトップ 今期は過去最高益見込む
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20201年3月期連結最終(当期)利益は、新型コロナウイルスの影響を受け前期比19・9%減の4014億円だったものの、商社業界で5年ぶり2度目のトップに立った。今期は過去最高の5500億円を見込む。
非資源に強み、でも稼ぎ頭は「鉄鉱石」
生活関連産業や情報・金融などの事業に強く、「非資源ナンバー1」を標榜する。しかし、21年3月期の取り込み利益(伊藤忠の出資比率に応じた子会社、関連会社の純利益の取り込み額)トップは「伊藤忠ミネラルズ&エナジー・オブ・オーストラリア」だった。鉄鋼原料用石炭や鉄鉱石の開発・販売を手掛ける会社で取り込み利益は906億円だった。内訳は鉄鉱石が999億円、石炭が93億円の損失。三井物産同様、鉄鋼石価格の上昇が業績を押し上げたことが一目瞭然だ。
ただ、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)や日本アクセスなど、伊藤忠が伝統的に強みを持つ非資源事業も取り込み利益トップ10に入っている。また、同社の身上は、中小規模の事業でコツコツ稼ぐことだ。21年3月期は292社の連結対象のうち、取込利益が20億円以下の中小事業が70%を占めた。
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週刊エコノミスト
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