半導体は市場拡大止まらず、2021年は前年比20%の大幅増に=津村明宏
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半導体 今年は20%成長を予測 グリーン投資も後押し=津村明宏
半導体市場は当面成長が続くと見込まれる。コロナ禍に伴う巣ごもり需要は、ワクチン接種の拡大で一服感が強まりそうだが、「リモート」や「非接触」の普及などで、デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速。第5世代移動通信規格(5G)インフラの世界的な拡充や自動車市場の回復も相まって、半導体の供給不足が継続しているためだ。
世界の主要半導体メーカーで構成する「世界半導体市場統計」(WSTS)の予測によると、半導体市場の成長率を2021年は19・7%、22年は8・8%と予測している。足元の非常に強い半導体需要が急速に弱まる要因が見つからず、コロナワクチンによる経済活動の正常化も期待されており、21年、22年ともに、全製品でプラス成長すると予測している。
調査会社の米ICインサイツは、21年の市場成長率見通しを当初の19%から24%へ引き上げた。
巨額増産投資も活発化
WSTS、ICインサイツともに、21年はDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)、NANDフラッシュメモリー(書き換え可能で、電源を切ってもデータが残る不揮発性メモリー)を中心とするメモリー市場が30%成長するとみている。データセンターへの投資活発化などで、価格上昇が見込まれるためだ。また、自動車の電動化に向けた需要増や供給不足に伴うファウンドリー価格の上昇などにより、アナログICやディスプレードライバーICなども価格が上昇する見込みで、これらも市場拡大に寄与する。
半導体供給不足の解消に向けた、メーカーの増産投資も活発化している。加えて、米…
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週刊エコノミスト
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