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東京市場 ストラテジストが読む 欧州の環境規制、EV関連に追い風=藤戸則弘

 欧州連合(EU)は、脱炭素社会に向けての変革を一段とスピードアップさせる方針を発表した。温室効果ガスを2030年までに1990年比で55%削減させる内容だが、他国の抽象的な概念・目標とは異なって、具体的かつ拘束力を伴う包括的法案を公表している。

 特に、注視されるのが「国境炭素税」で、環境規制の緩い国で製造された製品をEUに輸入する場合には、高関税を付加する内容だ。鉄鋼、アルミ、セメント、肥料などが対象と想定されており、新たな貿易摩擦を生む可能性が濃厚と思われる。また、ハイブリッド車を含むガソリンなどの内燃機関車の新車販売を、35年から事実上禁止する方針も打ち出している。

 中国、日本では、ハイブリッド車を許容する方針だが、欧州の一段の規制強化を受けて、同様な対応となる可能性も否定できない。自動車産業にとっては、大変革が一段と加速すると思われる。

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