マーケット・金融 子どもの金融教育
お金のプロが実践する家庭での金融教育 「親の失敗談を子どもに話そう」=鈴木さや子
有料記事
家庭の金融教育 お金のプロが我が家で実践「親の失敗談を子どもに語ろう」=鈴木さや子
金融広報中央委員会が2019年に行った調査によれば、金融リテラシー(金融や経済に関する知識や判断)が高い人は、家計管理ができ、情報への感度が高く、金融トラブルに遭いにくい傾向にあるという。では、金融リテラシーはどのように育てればいいのだろうか。
22年度から高校に資産運用の授業が取り入れられるが、実はすでに小学校~高校の授業では、「モノの選び方や適切なお金の使い方」「クレジットカードや多重債務」などの金融教育が授業に組み込まれている。しかし授業で学んでいても、学生時代に金融トラブルに遭うケースがあるのが現実だ。(表の拡大はこちら)
お金の話をオープンに
トラブルに遭う要因は三つある。(1)お金をやりくりした経験がなく、計画的にお金を用意できない、(2)お金の失敗事例を知らず、簡単に人を信じてしまう、(3)お金の話は怒られると思い家庭で相談ができない──ことだ。はっきり言えば、これらは学校の授業での解決は難しく、家庭での取り組みが必要になるだろう。
家庭でできる金融教育のなかでも効果的なのは、親子間でお金の話題をタブーとしないこと。子どもに金融トラブルの事例について「どうしたらよいと思うか」と問いかけたり、親の考えを話したりして、オープンな環境を作ることを心がけてほしい。学生に多い金融トラブル事例、親として伝えておくべきことを表にまとめたので、話題作りの参考としてほしい。
筆者は高校生と大学生の子どもを持つ母親だが、子どもが小さい頃から「自分のお金の失敗談」を話してきた。一人暮らし時代に安いお店を探さずに、コンビニで生活用品を買っていたこと、銀行の時間外手数料を気にせずに払っていたこと、カード払いの返済ができずに別のカードで借りて返したこと……。恥ずかしい内容ばかりだが、子どもは「親も失敗するの…
残り1207文字(全文2007文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める