投資・運用

徹底解説 自治体が管理組合をチェックして「認定」する「管理計画認定制度」=水谷文彦

徹底解説1 管理計画認定制度 自治体がチェック、不全なら「勧告」も=水谷文彦

地方自治体が状況チェック 不全なら「指導」「勧告」も

 改正マンション管理適正化法が昨年6月に成立し、来年4月から地方自治体がマンションの管理状況をチェックする新制度「管理計画認定制度」がスタートする。老朽化するマンションが今後、急速に増加が見込まれる中、地方自治体が管理状況に関与することで、マンションの管理不全化を防ぐ狙いだ。任意の制度として始まるが、外部の目が入ることでマンション管理のあり方が大きく変わることになる。

 新たな制度は、国や地方自治体(市と東京23区、それ以外は都道府県)が示す基準に沿って、基準をクリアした管理組合を地方自治体が「認定」し、基準に満たない場合は助言や指導、勧告をすることで、管理レベルの底上げを図ろうとしている。マンションが管理不全に陥って“スラム化”してからでは手の施しようがなくなるため、管理不全の兆候をいち早く見抜くことに主眼が置かれている。

 国土交通省はすでに、管理計画認定の基準の案をとりまとめ、パブリックコメントに付している。それによれば、(1)管理組合の運営、(2)管理規約、(3)管理組合の経理、(4)長期修繕計画の作成と見直しなど、(5)その他──の五つのカテゴリーで、計17項目にわたっている(表の拡大はこちら)。例えば、(4)では「長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われている」ことなど具体的に示されている。

「認定」は管理組合からの申請を受けて、5年ごとの更新制とする方向で、地方自治体が策定する「管理適正化推進計画」に基づき、地方自治体独自の基準が加わる余地もある。認定結果は公表することで、中古流通市場での評価を高める効果のほか、区分所有者全体の管理意識を高く保つことで管理水準を維持・向上しやすくする効果も期待している。

都で「14%」に兆候

 一方、「…

残り1708文字(全文2508文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事