投資・運用

非バリアフリー物件も建て替えしやすく法改正=須藤桂一

団地型マンションを対象に、新たに敷地分割事業も設けられた(本文と写真は関係ありません) (Bloomberg)
団地型マンションを対象に、新たに敷地分割事業も設けられた(本文と写真は関係ありません) (Bloomberg)

改正建て替え円滑化法 容積率の緩和特例を拡充 非バリアフリー物件も対象=須藤桂一

 改正マンション管理適正化法とともに昨年6月、改正マンション建て替え円滑化法も成立した。これにより、外壁が剥落するなど危険な状態にあるマンションや、バリアフリー化されていないマンションも、容積率緩和の特例の対象とするなど、より建て替えのハードルを下げている。ただ、建て替えに至るには手続きが煩雑なことに加えて資金の工面も必要で、建て替えが一挙に加速するとは考えにくい。

 2002年に成立したマンション建て替え円滑化法は、区分所有法による建て替えの手続きとは別に、「建て替え組合」を作ってスムーズに事業を進められるようにし、容積率緩和の特例なども設けた。ただ、これまでは特例を受けられる対象が耐震性の不足しているマンションに限られ、国土交通省によれば同法による建て替えは全国累計で98件にとどまっている(今年4月時点)。

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 今回の改正では、特例を受けられる対象として、(1)火災に対する安全性が不足、(2)外壁などの剥落で周辺に危害が生じる恐れ、(3)給排水管の腐食などにより著しく衛生上有害となる恐れ、(4)バリアフリー基準に不適合──に該当するマンションも加えられた(表)。(1)と(2)のマンションは、区分所有者の5分の4以上の賛成で建物と敷地を売却できる「マンション敷地売却事業」の対象にもなった。

 もう…

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