滋賀県の〝廃虚マンション” 公費解体の難しすぎる後始末=編集部
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“廃虚”マンション 滋賀県野洲市が公費解体も7割の7900万円未回収=編集部
キラキラと湖面が光る琵琶湖に注ぐ野洲川に近い一角。“廃虚マンション”として知られていた滋賀県野洲市の区分所有マンション「美和コーポB棟」は、現在は解体されて更地になっている。市が空き家対策特別措置法に基づき行政代執行として昨年7月18日に解体を終了したが、解体費用の総額は約1億1800万円。このうち、現在までに所有者から回収できたのは計約3900万円にすぎない。
美和コーポは1972年に建設された鉄骨3階建て(9戸)の分譲マンション。当初から管理組合は機能せず、10年ほど前から住人は不在に。ほとんど建物の維持・管理がされないまま、外壁が崩れ落ちて室内の家具も飛散する状態となっていた。現在の所有者は個人8人と法人1社で、解体費用の負担は1所有者当たり約1300万円となるが、納付したのは個人3人のみ、残る約7900万円の回収は滞っている。
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週刊エコノミスト
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