マーケット・金融

狙える!IPO株 コロナ禍でも増えた新規公開 初値大きく上回る有望銘柄も=小林大純

 国内企業のIPO(新規株式公開)は増加基調で推移している。2020年3月のコロナショック直後こそ公開の中止を迫られる案件が多かったものの、20年通年では93社(不動産投資信託と東京プロマーケット上場除く、以下同じ)と19年の86社を上回った。また、21年1〜8月のIPOは66社と前年同期の45社から大きく増えており、年100社の大台に乗せる可能性が高そうだ。

 上場時に基準となる「公開価格」に対し、取引開始して最初に付ける「初値」がどれだけ上昇・下落したかを見ると、20年は93社平均で129・9%増と極めて好調。3月のコロナショック渦中に上場した銘柄が軒並み公開価格割れとなる一方、6月にIPOが再開されると公開価格の数倍という初値を付ける銘柄が相次いだ。

 当時は新興株で構成される東証マザーズ指数がデジタル化進展への期待から急上昇し、IT・インターネット関連のIPO株にも積極的な買いが入った。初値位置が高くとも、新興株全体が急上昇中なら株価収益率(PER)などの指標面で割高感はさほど感じない。

 もっとも、21年1〜8月のIPO66社の初値からの株価騰落率は平均17・1%減(9月16日時点)。値上がり銘柄が14にとどまるのに対し、2割以上下落している銘柄は41に上り、5割以上下落している銘柄でさえ9もある。日経平均株価は足元でバブル崩壊後の戻り高値を再更新したが、マザーズ指数は昨年10月高値を上回れずにおり、新興株全体の先高観という追い風は弱まった。

 それでも上場時の公募・売り出し(資金調達)規模が数億〜十数億円程度のIPOでは公開株数が限られるため、市場での取引開始時に買い注文が売り注文を大きく超過し、初値が上昇しやすい。類似企業を参考にして決めた公開価格から初値段階で大幅に上昇してしまう場合、その後株価調整を強いられる銘柄が多い。

ハイテク系に買い

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