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経済・企業

買い場を見極める 日経平均PERはやや割安か 不確定要素はソフトバンクG=井出真吾

日本株は業績相場へ突入する Bloomberg
日本株は業績相場へ突入する Bloomberg

 日本の上場企業が8月末までに発表した見通しによると、2022年3月期の純利益は前期比42%の増加で、期初予想(5月末時点)の33%増から大幅な上方修正となった。

 アナリストによる業績見通しの修正度合いを示す「リビジョン・インデックス」も、8月下旬には16年以降で最も高い水準となった。コロナ禍による不透明感で期初予想が例年以上に保守的だったこと、米国を中心に景気回復ペースが想定以上に速いことが主な背景だ。日本株に見直し買いが入る「素地」はできていた。

3年ぶりの「フェアウエー」

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 現在の株価水準をどう見るか。株価の割高・割安を分析する際にPER(株価収益率=株価÷純利益)を参考にすることが多い。PERは「企業の最終的なもうけである純利益に対して株価が何倍か」を表すので、PERが大きいほど割高、小さいほど割安だ。

 日本株について割高・割安を判断する際の目安は、日経平均の場合、PERの標準的な範囲は14~16倍程度とされる。実際に14年1月~18年2月の平均は15倍、PER14倍が下値メド、16倍が上値メドとしてよく機能していた。

 ところが近年は二つの要因で、日経平均のPERが機能しにくい状況が続いてきた。一つは、18年3月に米トランプ政権が引き起こした米中貿易摩擦だ。これで投資家が慎重姿勢に傾き、PERは14倍を大きく割り込む状態が続いた。もう一つは、コロナショックで主要国の迅速かつ大規模な財政出動と金融緩和で株価はV字回復。実体経済に先行して株価が上昇し、PERは上値メドの16倍どころか20年12月には一時25倍を超え、「コロナバブル」との見方も出た。つまり、PERは投資家のマインドが冷えすぎても過熱してもうまく機能しない特徴がある。

 こうした状況が足元でようやく修正された。22年3月期の大幅増益を見込む企業が相次ぎ、21年5月以降、日経平均のPERは標準範囲の14~16倍程度に下がった。18年以降、機能不全に陥っていたPERが約3年ぶりに“フェアウエー”に戻った格好だ。

 米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が量的緩和の縮小(テーパリング)に向かうこともPERの機能再開を後押しする要因だ。

 金融市場に供給されるマネーが減少すると株価の“かさ上げ効果”が薄れ、株価がファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の中でも特に企業業績で評価されやすくなるからだ。経済再開に応じてコロナ対応給付金などの財政出動が縮小しつつあることも同様だ。

 日経平均が3万円を回復した9月8日時点のPERは13・95倍で、下値メドとされる14倍をわずかに下回っている。つま…

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