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週刊エコノミスト Online 特集

非上場の時代 攻めの損失処理 足元の利益より長期の成長=児玉万里子

 株式を上場している会社は、金融商品取引法に基づいて有価証券報告書を財務局へ毎年提出する。非上場会社の場合も、会社の規模など一定の要件に達すると同報告書の提出が必要になる。2020年度の財務局の同報告書受理件数(内国会社)は4153社である。国内の上場会社数3800余社に比べると、非上場会社約300社が同報告書を提出していることになる。

 有価証券報告書には財務諸表のみならず、企業グループの概況や事業の説明も含まれる。さらに、金商法によって虚偽記載が排除され情報の品質が担保されており、掲載項目や掲載基準の定めによって他社の同じ項目や同会社の過去の項目と比べることができる。そこで、同報告書を用いて、非上場会社を同業種の上場会社と比較し、株式が非上場であることの意義や影響を考えてみたい。

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