国際・政治

FRBのテーパリング開始は2022年利上げ開始の布石=鈴木敏之

インフレ楽観論を後退させたパウエル議長 Bloomberg
インフレ楽観論を後退させたパウエル議長 Bloomberg

FRBが資産購入の減額決定 2022年利上げ開始の布石 極めて平穏に金融政策を平常化へ=鈴木敏之

 11月3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、量的緩和効果のある資産購入の規模を削減していくテーパリングに進むことを決定した。

 FOMC後の記者会見で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、テーパリングを進めることと利上げを結び付けないと述べたことを、市場はハト派的と解釈した。そして、株式市場はそれを好感して上伸した。

 しかし、このFOMCではインフレ楽観の見方を後退させ、来年、利上げに進む期待を、平穏に市場に織り込ませることもやってのけている。

 今回のFOMCのハイライトは、インフレ楽観の見方を後退させたことと、テーパリングを早期に終了させる告知をしたことである。まず、インフレについて、FOMC声明は、9月にインフレ率が高いのは一時的であると断定していたのを、今回は“一時的(transitory)と予想される”に書き換えた。

 記者会見では、“tran-sitory”とは、「短期間で終わる」という意味と、「永遠ではない」という意味があるとして、高いインフレ率が続くことの判断は、後者の意味であるとも述べた。結構、長い時間、インフレ率が高くても、“transitory”と言えることにしてしまった。

 さらにインフレ率の説明で、かなり大きな上昇という表現もした。8月27日のカンザスシティー連邦準備銀行が主催する年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の講演で、パウエル議長は、強いインフレ楽観を言っていたが、大きく楽観姿勢を後退させたことになる。

市場は織り込み済み

 テーパリングについて、実施を始める時期を11月からか、12月からかは曖昧にされていたが、今回11月開始が決められた。さらに、11月と12月について削減規模を150億ドル(約1・7兆円)とし、その先も同様のペース…

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週刊エコノミスト

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