マーケット・金融

米資産運用担当者に聞く 「人手不足が米国のインフレ誘発 FRBは利上げに軸足を移す」

    イレーン・ストークス氏 本人提供
    イレーン・ストークス氏 本人提供

     米国の高いインフレ率の上昇は一時的か、しばらく継続するのか。コロナ禍から回復してきた米国経済への影響はどうか。米債券運用大手のルーミス・セイレスの運用担当者のイレーン・ストークス氏に聞いた。

    ── 米国で進行中のインフレは一時的なものか、恒久的な現象か。

    ■両方だ。米経済の回復は、当初予想されたような急回復ではなく、より段階的でゆっくりとしたものになった。世界中で同じような傾向が見られる。新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーン(供給網)が寸断され、局所的なインフレにつながっている。供給網が落ち着くには、しばらく時間がかかろう。

    ── 人手不足が生じている。

    ■労働市場は混乱している。コロナ感染の発症後に体調が完全に快復していない人が増えている。女性の退職者に加えてリタイア(早期退職)した人も多い。人手不足によるインフレへの影響は大きくなるだろう。退職した人が今後いつ、どれくらい戻ってくるのか見極めが必要だ。

    ── 米連邦準備制度理事会(FRB)は11月3日、購入資産の減額(テーパリング)を月内に始めることを決めた。

    ■米10年国債は今後12カ月間、現状約1.5%から上昇し、2%台の利回りになると予想する。理由はテクニカルなものとファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の両方だ。

     テクニカル面では、FRBが債券買い入れ額を今後6〜9カ月にわたり縮小するだけでなく、利上げに軸足を移すだろう。FRBや他の中央銀行が緩和的マネーを引き揚げることで、国債利回りは上昇してゆく。

     ファンダメンタルズ面では、米国経済の回復が予想よりもペースが遅いものの、需要は底堅い。

     そのため世界的に成長傾向は続…

    残り565文字(全文1265文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    1月25日号

    投資、保険、相続まで お金の王道Q&A16 「資産形成」を高校家庭科で 大人も人生を考える好機に ■中園 敦二18 インタビュー 村上世彰氏 投資家「お金は道具、決めるのは自分 それを伝えるのが金融教育」 19 Q1 「投資」と「ギャンブル」の違いは? お金を投じる目的で考える ■愛宕 伸康 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    編集部からのおすすめ

    最新の注目記事