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米国でTPP復帰の待望論 中国の加盟申請に危機感=岩田太郎

 中国が9月に環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟を正式に申請した。米国は2017年にトランプ前大統領の判断でCPTPPの原合意である環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を離脱したが、復帰論が高まっている。

 在シンガポール、ベトナム、マレーシア、ニュージーランドの米国商工会議所は11月5日に連名で、「米国商工会議所はオバマ政権にTPP参加を要請した最初の米財界団体であり、バイデン政権にCPTPP加入を求める」との声明を発表した。

 米上院財政委員会のメンバーである13人の共和党議員も11月8日、バイデン大統領に書簡を送り、デジタル分野の協定について、「中国共産党の影響に対抗するため」CPTPP加盟を考慮するよう要請した。

 元駐ベトナム米国大使のテッド・オシウス氏らは11月8日付の政治サイト「ザ・ヒル」に寄稿し、「米国がCPTPPに再加入することが、国内事情で困難であることは理解できる。だが、バイデン政権は中国の加盟申請を受け、オバマ政権の協定取りまとめという苦心の成果を受け継ぎ、何らかの形で参加すべきだ」と訴えた。

 オシウス氏はさらに、「デジタル経済は、民主化の力強い推進力だ。米国が再加盟で電子商取引のルール作りに参加できれば、世界中の中間層の経済的なチャンスを高めることができる」との見解を示した。

「様子見」の主張も

 一方、米通商代表部(USTR)の元次席代表代行であるウェンディ・カトラー氏は10月27日付の投資家サイト「バロンズ」で、「米国は日本のTPP交渉参加を前に、日本の農業や自動車市場の開放へのコミットメントを求めたが、日本は協定発効後も約束を守っている。今回、加盟を申請した中国や台湾については、約束順守の意図を完全に見極めるまでは様子を見た方がよい」と主張した。

 カトラー氏は9月10日付の外交誌『フォーリン・アフェアーズ』で…

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