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新生銀行 SBI傘下入り決定的でも「税金」の返済道筋見えず=新開境地
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新生銀行への敵対的買収に発展したSBIホールディングス(HD)によるTOB(株式公開買い付け)は、SBIHDに軍配が上がった。買収防衛策を諮る臨時株主総会の前日(11月24日)、新生銀行が方針を転換して、買収防衛策を取り下げ、株主総会の開催を見送った。SBIHDもTOBの期限を12月8日から同10日に延長すると発表。約20%の新生銀行株式を保有するSBIHDが、48%を上限に同行株式を買い増し、連結子会社化する計画はほぼ決定的となった。
買収防衛策を取り下げたのは、SBIHDに対抗する友好的な買収者(ホワイトナイト)が現れず、株主総会で否決される公算が高まったためだ。公的資金(税金)によって同行の株式を約22%保有する国が買収防衛策に賛成しない方針を固め勝敗が決した。来年2月に予定される新生銀行の臨時株主総会後、工藤英之社長ら現経営陣は退陣する。
新社長にSBIHDの川島克哉副社長、会長には元金融庁長官の五味広文氏が就く予定。SBIHDは、新生銀行を傘下に入れることで、グループ内企業とのサービス連携を進める。SBIHDが一部地銀と資本業務提携を結んできた「第4のメガバンク構想」も新生銀行が中核的な役割を果たすとみられる。
再…
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週刊エコノミスト
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