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ズバリ!株価を読む 年半ばに向け3万2000円まで上昇、その後は横ばいに=小高貴久

 野村証券は日経平均株価が2022年年央に3万2000円に向かい上昇し、その後は上値を抑えられて横ばい圏で推移と予想する。年後半は成長業種の選別が重要になろう。

 マクロ経済の視点で見た株価の重要ポイントは、米国の景気と金利、日米の政治情勢だ。リスクとは、エネルギー価格の上昇だ。冬場を過ぎて北半球のエネルギー需要が一巡し、原油や天然ガス価格が落ち着くのであれば、逆にポジティブ要因になる。

 22年前半の日本株市場の追い風として、物流が逼迫(ひっぱく)するほど堅調な米国消費や、半導体不足の解消に伴う自動車をはじめとした生産増、日本の巨額の経済対策など目白押しだ。

 足元で新型コロナウイルスの「オミクロン株」のリスクも懸念されるが、20年半ば以降はデルタ株など変異株が登場しても、企業業績の拡大が損なわれることはなく、社会的対応の経験値も積まれている。堅調なマクロ経済を背景に、日米ともに企業業績拡大への信頼感は高い。

年後半は要注意

 22年後半は、注意すべきポイントがある。日米の政治情勢をみると、日本では7月までに行われる参議院選挙後の新たな政策は見当たらない一方、年末の税制改正大綱に向けて、株式の配当や売買にかかる金融所得課税の議論が台頭するだろう。21年10月の岸田文雄政権発足直後に、分配政策の財源としての同議論が株価の下落圧力になったとの見方から早々に議論が先送りとなった。この時の状況が再…

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