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ズバリ!株価を読む 緩やかに上昇、年内3万3000円を狙う 増益の企業業績が背景=井出真吾

 日本株は、企業業績の増益基調が続くことを背景に、調整を繰り返しながらも緩やかに上昇する展開を基本シナリオとみている。2022年前半には日経平均株価は3万円台に定着し、年内に3万3000円を狙うことも予想できる。

 株価予想の基本となるのが株価収益率(PER)などのバリュエーション(企業価値を測る指標)で、上場企業が利益を増やせば、株価は上がりやすい。上場企業の21年4~9月期の最終利益は前年同期比2倍の水準で、通期決算に向けて増益基調が維持され株価は一段と高値をうかがう展開になるだろう。

 日経平均の予想PERは約14倍で、米国の代表的企業で構成するS&P500の約21倍に比べて日本株は低評価だ。日本経済が回復軌道に乗り、内需関連を中心とする非製造業の業績改善の傾向が見えてくると、PERが切り上がり、株価を押し上げる材料になるだろう。年明け1月からの第3四半期(3~11月期、4~12月期)決算発表での21年度通期見通しや、4月からの通期決算(2月期、3月期)での22年度業績予想の仕上がりが焦点になる。気がかりは、増益ペースの鈍化だ。

インフレが懸念材料

 インフレが利益をどのくらい圧迫するか注視が必要である。原油など商品価格が上昇する中、米国ではコロナ禍により離職した労働者の復帰が遅れ、10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6・2%上昇し、インフレ懸念が高まっている。

 日本のCP…

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